「真我の会」とは
 

人の視線が気になる、大勢の前で緊張してうまく喋れない、声が震える、どもってしまう、会話に中に入れず孤独感を強く感じる 等々
神経症の中でも特に多いのが、これら対人恐怖の症状に悩む人たちです。
 
私もまたその一人でした。人と打ち解けて話すことができない自分、仲間の会話の中に全く入れない自分に悩んできました。
大きな転機となったのは、「いつも自分のことで頭がいっぱいだった」ことに、ある日ハタと気付いたことでした。その時、長い間忘れていた人に対する‘思いやり’や‘感謝’という温かい心が蘇り、その心は私自身を癒しただけではなく、人との間にあった厚いカベを溶かし、対人恐怖を越える大きなきっかけとなりました。
 
‘思いやり’や‘感謝’の心が蘇るのは、それらの心を私たちが生まれつき持っているからです。森田療法ではそれを‘純な心’と呼んでいます。
この人間本来の心である‘純な心’が発現しないのは、私たちの認識や物の考え方、生活習慣に歪みや偏りが生じているからで、それが対人恐怖をはじめとした神経症の根本的な原因となっています。
しかし、この認識の歪みや生活習慣の偏りは、長い年月をかけて身に沁みついているため、自分ではなかなか気付けず自分一人の力で正すこともなかなかできません。
 
「生活の発見会」は、神経症に苦しむ人たちが森田療法によって自分達で症状を乗り越えていくための活動を行っている自助グループで、全国各地で毎月集談会が開かれています。
「真我の会」は、神経症の中でも特に対人恐怖に悩む方が、共通の悩みを語り合い、お互いに切磋琢磨しながら自らの歪みや偏りに気付き、メンバー全員で対人恐怖の克服を目指す、「生活の発見会」の中のテーマ別懇談会です。
 
私たちの中には、まだ自分の知らない‘本当の自分(真我)が眠っています。真我に目覚めれば、対人恐怖で苦しんでいた時に見ていた世界とは全く違う世界が開けます。劣等だと思っていた自分のダメなところが、実は世界に貢献するために自分に与えられた素質であったことに気付き、未来に大きな希望を感じることができるようになります。
「真我の会」に集う全ての方が、‘本当の自分’‘真我’を見出し、人生が大きく開かれていくことを心より願っています。
 
世話人代表 野田聖二


※会の名称「真我」の由来
   「生活の発見会」の母体となった「啓心会」を主宰した故水谷啓二氏
   の著書『あるがままに生きる』(白楊社)の中の「真我に生きる」より
   拝借させて頂きました。